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2024.10.26

CATEGORYパブリシティ

ファッション販売 2024.10月号

東京・表参道に鯖江メガネのショールームを構えるのは、鯖江市に本部を置く福井県眼鏡協会だ。

高品質のメガネフレームとして国内外から高く評価されている鯖江メガネの名を耳にしたことがある人は多いだろう。

メガネはファッションアイテムの一つとしても捉えられるが、機能性とファッション性の両立が特に重要な奥深い小物だ。

ただ似合うだけでなく、ただ見えやすいだけでなく、その両方を兼ね備えた快適かつ装いを楽しむ小物としてのメガネ選びについて伺った。

「メガネは単なる視力矯正具ではなく、ファッションアイテムとしても重要な役割を果たしています。

お客様とお話ししていると、〝どうせかけるならお洒落で似合うものを〟という言葉を度々耳にするのですが、
かけなくて済むならそのほうがいい、とお考えの方もいらっしゃるかと思います。

しかし、本当にご自分に合った視力矯正とファッション性を兼ね備えた一本に出会えれば、きっとイメージが変わると思います。

そのためにも、お客様一人ひとりのライフスタイルや顔の形、目の状態に合わせたメガネ選びをしっかり行うことが、
より快適で豊かな生活を送ることに繋がると考えています。」

在籍スタッフの全員が『眼鏡作製技能士』という国家資格を保有するプロフェッショナルだという。

同ショールームでは、お客様一人ひとりの顔の形や頭のサイズなどを精密に計測し、最適なフレームを提案している。

特に、レンズの中心に黒目があることが、視界のクリアさと見た目のバランスを保つ上で重要だという。

「例えば、ヘッドサイズや瞳孔間の距離を測ることで、お客様にぴったりのサイズ感のフレームを選ぶことができます。

また、頬の幅を計測することで、見た目の収まりが良く、より快適なかけ心地の一本をご提案できます。」

さらに、末田さんはメガネ選びに重要な要素として、素材にも触れた。

「例えば、チタン製のフレームは軽量で耐久性が高く、長時間かけていても疲れにくいという特徴があります。
また、プラスチック製のフレームはデザインのバリエーションが豊富で、ファッション性の高いものが多いです。
フォーマルに見せたいときはメタルフレームを、カジュアルな雰囲気でまとめたいときはカラフルな樹脂製フレームを、
というように、見せたい印象や利用シーンに合わせて素材選びからの提案もしています。」

ショールームには、鯖江の各工房で作られたフレームがずらりと並んでいる。
その数は20メーカー、61ブランドにのぼり、常時3000点ほどのフレームが展示されているそうだ。

フレームサイズごとにコーナーが作られており、最初に計測した顔幅や頭のサイズから効率的にフレームを選べるように陳列されている。

各眼鏡フレームのプライスタグにはメーカー名も表示されており、鯖江にはたくさんの作り手がいることを感じられる。

「メガネは視力を矯正するための医療器具ではありますが、やはり見えやすさや掛け心地にプラスして色や形が自然で似合っていたり、
お気に入りのデザインであったりすれば気分も良くなりますよね。
すると積極的に使おうという気持ちにもなりますから、そういう意味ではファッションとしての側面も大事な付加価値だと感じます。」

このショールームはもともと、鯖江眼鏡を知ってもらうためのギャラリーとして、
また、買付などビジネス用の商談目的の場として作られたそうだ。

フレーム一つ一つに工房やメーカーの名前を記しているのは、眼鏡店が商品仕入れをする際に各メーカー名を知ってもらい、
次に商談をする際に注文しやすいようにとの意図もあるそうだ。

今はBtoBに加えて個人客もきめ細やかな計測とフィッティングを受けながら眼鏡を購入することができる。
その狙いは、ショールームをテストマーケティングの場とすることで、各メーカーに消費者の生の声をフィードバックすることにある。

ショールームで収集した情報は、売上データだけでなく、お客様が検討しつつ購入に至らなかった理由も、毎日各メーカーにレポートとして送っているそうだ。

どのようなデザインやカラーがいま市場で求められているのか、どんな消費者がどのようなニーズで眼鏡を探しているのか、それらの声を集めて商品開発にスピーディーに反映させられる点も、工房直結の鯖江メガネの強みであろう。

このごろは海外からの引き合いも多いため、アジア系の骨格に合ったフレーム、欧米系の骨格にあったフレームなど、マーケットごとに商品の作りをカスタムしているとのこと。

ものづくりの高い技術力だけでなく、細やかなマーケティング施策が日々行われていることも、鯖江眼鏡が世界を舞台に躍進している秘訣のようだ。
また、めがね産地には、メイドインジャパンの高品質や伝統を直接体験できる場所として「めがねを見て、触れて、体験できる」がコンセプトのメガネミュージアムというスポットがある。

産地ならではのめがね手作り教室など予約制で開催しているようだ。

ちなみに筆者はいくつもの眼鏡を30年近くに渡って買い替えてきたが、ここまで精密な計測を受けたのは今回が初めてだった。
このギャラリーで初めて存在を知った計測機器があり、測定結果に合わせられるようレンズも様々な機能のものが取り揃えてある。

見え方を細かくパーソナライズできて、今の自分にとって最も見えやすいレンズと頭の形や顔立ちにぴったり合うフレームを提案してもらう体験は、まさに目からウロコの驚きだった。

顔型やパーソナルカラーも加味したおすすめのフレームは顔映りも良く、とても参考になる。
皆さんもぜひ一度ショールームに足を運んでみてほしい。

ファッションアイテムとして、機能的な実用品として、毎日の満足度を高める納得の一本に出会えるはずだ。

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